【MT4+EA】トラリピでバックテストを行うには?テスト用のEAも公開中

トラリピ

マネースクエアのトラリピは不動産投資のようにじっくり長期で不労所得を得られるサービスとして人気です。
わたしもリスク抑えめの年利15%程度の設定で運用中です。

便利なサービスなのですが、類似サービスのトライオートFXと違い、運用開始前のバックテストができません。

リスクの計算はトラリピの口座を開設すれば使えるトラリピ運用試算表を使えばできるのですが、運用前にどのくらいの運用成績になるのか把握しておきたいですよね。

そこでこの記事では、トラリピのバックテストを行う方法を紹介します。
手順が多く中級者以上向けですが、○○ショックのような特定の期間だけテストするといったこともできるので、ぜひ試してみてください。



バックテストを行う方法

バックテストには、FX取引ツールのMT4(Meta Trader 4)EA(エキスパートアドバイザ)を使用します。

MT4はFX裁量トレーダーにはおなじみの、世界で最も使用されているFX取引ソフトです。
非常に豊富なチャート分析ツールやインジケーターを使用でき、プログラミングの知識があれば自分オリジナルのテクニカル指標をつくることもできます。

EA(エキスパートアドバイザ)とは、MT4上で稼働する自動売買プログラムです。
EAはネット上に有料無料を問わず多数配布されています。
プログラミングの知識があれば自分オリジナルの自動売買ロジックをつくることもできます。

この記事では、トラリピを行うEAを使用してトラリピのバックテストを行ってみます。

MT4の使用方法

MT4を使用するには、MT4に対応したFX会社で口座を開設する必要があります
まずはMT4に対応したFX会社(証券会社)で口座を開設するところから始めますが、MT4に対応していてもEAは使用不可というFX会社も多いので、必ずEAに対応したところを選びましょう。

また、デモ口座が無制限で利用できるかどうかも重要です。
ックテストの後は実際にデモ口座で運用するフォワードテストをすることをおすすめしますが、デモ口座が無制限なら設定変更したくなった時や追加の設定を稼働させたいときにいつでもフォワードテストができます。

MT4とEAに対応しデモ口座も無制限となると選択肢が限られてきますが、
OANDA(オアンダ)はEA使用可能でデモ口座無制限、口座開設手数料と維持手数料がともに無料なのでおすすめです。



EAの使用方法

MT4を使う準備ができたら次はトラリピを行うEAが必要ですが、トラリピはマネースクエアが特許を取得しているため他の人や会社がお金儲けのために販売することはできません。
有料EAの販売所にはトラリピEAは存在しないと思います。

なので自分で作成するか、有志の方が無償で公開しているEAを探す必要があります。
検索すれば見つかると思いますが、わたしが勉強ついでに作成したものでよければこちらからダウンロードできます。

このEAの機能はネット上で配布されているトラリピEAとほぼ同じです。
中身が2つありますが、ストップロスをトラリピのように価格で指定するか、トライオートFXのようにトラップ位置からの値幅で指定するかの違いだけで他は同じです。

このEAに利用制限はついていないので、自作EAを使用可能なFX会社ならどこでも使用できます。
バックテストはメタクオーツ社のチャート情報で行うので、どのFX会社を使用してもバックテストの結果に影響はありません。

公開しているEAについて

概要
トラリピ式自動売買を行うEAです。トラップが現在レートより上にあるか下にあるかによって指値注文と逆指値注文を自動で使い分けます。

TREA_SL-PipsとTREA_SL-Price
ストップロスの指定方法が値幅か価格かの違いだけで他は同じです。
TREA_SL-Pipsの場合、トラップから指定した値幅だけ離れるとそのポジションを損切りします。
TREA_SL-Priceの場合、指定した価格になるとこのEAが発注したすべてのポジションを一斉に損切りします。

設定項目

magic:
マジックナンバー。1000が初期値ですが、複数のEAを起動させる場合は1つめ5000、2つめ10000といった具合に5000程度離してください。

Slippage:
許容スリッページ。初期値のままで良いと思いますが利用するFX会社によって調整してください。

BuyTrap:
売買モード。trueで買いトラップ、falseで売りトラップになります。

Lots:
1トラップあたりのロット数。FX会社により取引できる最小ロット数は異なります。多くの場合0.01ロット=1000通貨です。

MaxOpenPrice:
トラップの上限価格。売買どちらの場合でもトラップ(レンジ)の上限価格を指定してください。

TrapCount:
トラップ本数。

TrapIntervalPips:
トラップ間隔。値幅(Pips)で指定してください。TrapCountとTrapIntervalPipsで仕掛けるレンジが決まります。

ProfitPips:
決済値幅(利確値幅)。値幅(Pips)で指定してください。

StopLossPips(Price):
ストップロス値幅(価格)。TREA_SL-Pipsの場合は値幅で指定してください。TREA_SL-Priceの場合は価格で指定してください。
0を指定すると損切り無しになります。

StopOrderMode:
逆指値モード。trueにすると指値注文(リミットオーダー)が無効になり逆指値注文(ストップオーダー)のみ有効になります。通常のトラリピ式運用ではfalseにします。

StopOrderSpreadPips:
逆指値の値幅。StopOrderModeがtrueのとき設定します。値幅(Pips)で指定してください。トラップから何Pips離れたら逆指値注文を発注するかを指定します。

OrderRangePips:
予約注文を現在レートから何Pipsの範囲に発注するかを指定します。広げすぎるとサーバーに負担がかかるので、問題が発生しない限り初期値(100pips)以上にはしないでください。トラップ幅の5倍程度が推奨です。

StopOrderMode(順張りモード)について

通常のトラリピでは現在レートがトラップを仕掛けた価格になると、下落中だろうが上昇中だろうが関係なく約定します。

StopOrderModeをtrueにすると、指値注文が無効になります。
つまり、買いトラップの場合は下落中には買わず、再び上昇してから買う逆指値注文のみが有効になります。

上の図はStopOrderSpreadPipsを50pips(0.5円)に設定したときの、100円から94.5円に下落して再び100円に上昇した場合の図です。

StopOrderModeをtrueにすると、100円から97円への下落中は買わず、96.5円から97円に戻った時に買います。
その後利確されず94.5円まで下落しますが、同様に下落中の96円と95円では買わないため、94.5円まで下落したときの含み損は97円の買いポジションのみになります。

このように、StopOrderModeをtrueにすることで暴落中の含み損を抑えることができます。
○○ショックのような一時的な戻りもないほどの下落相場のとき特に有用です。



バックテストの手順

デモ口座を開設し、MT4とEAが用意できたら、バックテストを行うための設定をしましょう。

まずMT4の画面を開いたら、左上から「ファイル」→「データフォルダを開く」と選択します。

エクスプローラーが開いたら、「MQL4」→「Experts」と選択し、Expertsフォルダを開きます。このフォルダに、用意したエキスパートアドバイザを入れます。(.ex4ファイル)

MT4を再起動すると、画面左にあるナビゲーターウインドウにEAが表示されます。

次にチャート情報をダウンロードします。「ツール」→「ヒストリーセンター」を開き、左の通貨ペア一覧からバックテストを行いたい通貨ペアを選び、ダウンロードを押します。
ダウンロードアラートがでますが、気にせずOKを押します。今回は豪ドル/NZドルの1分足チャートをダウンロードします。

チャートのダウンロード後、左上のボタンか「表示」→「ストラテジーテスター」からストラテジーテスターを開き、通貨ペアやスプレッドの設定をします。

スプレッドはポイント(1point=0.1pips)で指定します
モデルは「コントロールポイント」でも十分な精度がでます(トラリピEAはロジックが単純なため)

次に「エキスパート設定」からEAの設定をします。
ここでは、豪ドル/NZドルペアで1.00~1.10NZドルの間に10pips間隔で15pips利確幅の買いトラリピを仕掛ける場合の設定をしてみます。
0.10NZドル=1000pipsのレンジなので、トラップ本数は100本に設定(1.00NZドルちょうどにもトラップを設定する場合は+1本して101本に設定)します。

設定が終わったら「スタート」を押すことでバックテストが始まります。テスト後は下のタブから結果を確認できます。

トラリピ式運用の場合は勝率や連勝はあまり関係ないので、「純益」「総利益」「総損失」「絶対ドローダウン」「最大ドローダウン」に注目しましょう。

上の例では、テスト終了の6/31の時点で実現損益(総利益)43,458円、全ポジション決済した最終損益(純益)は26,095円、全ポジション決済前の評価損(総損失)-17,363円という結果になりました。

スワップは考慮されません

最後に青いグラフが下がっているのは、MT4のバックテストでは終了時にすべてポジションを決済するので評価損が確定損失になったためです。
損失の大きさはいつ撤退するかにもよるので、しばらく運用を続ける予定の場合は総利益(実現損益)だけに注目すると良いでしょう。

絶対ドローダウンとは、テスト期間中の実現損益と評価損益の合計が初期資金からどれだけ下がったかを表しています。
最大ドローダウンは口座の最大金額からどれだけ下がったかです。
これらは一応参考にはなりますが、トラリピ式運用ではドローダウンはいつ始めたかによるところが大きいです。

なので、バックテストのドローダウンは参考程度として、
必ずトラリピ運用試算表で「すべて成立時の評価損」を確認しましょう。
例えば上の設定をトラリピ運用試算表に入力すると、すべて成立時の評価損は約-39万円となりました。テスト結果と全然違いますよね。
バックテストの期間は狭いレンジで推移したためドローダウンも小さく済んでいますが、今後1.1NZドルまで上昇してから1.0NZドルまで下落した場合はバックテスト結果をはるかに超える評価損になる可能性もあるということです。

なお、上で公開しているEAではハーフ&ハーフやダイヤモンド戦略のバックテストは1回ではできません。
ハーフ&ハーフのテストをしたい場合は、売りトラリピと買いトラリピを個別にテストしてあとから結果を合計してください。



スプレッドの影響について

バックテストのスプレッドの設定は結果にかなり影響します。
例えば米ドル/円で、バックテストにOANDAのプロコースの口座を使用している場合、スプレッドの設定を忘れて「現在値」のままにすると0.8pipsの設定になり、本家トラリピの米ドル/円のスプレッド4pipsの5分の1になります。

実際にスプレッドだけ変更してバックテストを行ってみます。

期間:2021年1月1日~6月30日
通貨ペア:米ドル/円
売買方向:売り
レンジ:102~112円
トラップ本数:101本
トラップ幅:10pips
利確幅:20pips
スプレッド:0.8pips(オアンダ)または4pips(本家トラリピ)

スプレッド0.8pipsの場合

スプレッド4pipsの場合

結構利益に違いが出ていますね。この場合はスプレッド0.8pipの方が約1万円利益が大きいです。

米ドル/円はバックテスト期間中上昇トレンドで仕掛けと逆行しているため、少しでも多くの利益が出せる設定にしたいところですが、スプレッドの設定を忘れると利益が多くなるので、実際に運用を開始すると思ったより利益が出ないなんてことになります。
(多くのFX会社は本家トラリピよりスプレッドが狭いので利益が多くなります)

バックテストをするときはスプレッドの設定も忘れずに行いましょう。



フォワードテストの方法

バックテストで運用したい設定が決まったらいきなり運用開始しても良いですが、その前にデモ口座で実際に動かしてみましょう。(フォワードテスト)

本家トラリピにはデモ口座がないのでいきなり運用開始するしかないのですが、フォワードテストを行うことで思ったのと違う、設定が間違っていたなんてことに気づけます。

ここでは、米ドル/円のペアでハーフ&ハーフのフォワードテストを行ってみます。
実際に設定するときは、運用したい通貨ペアと設定に読み替えてください。

通貨ペア:米ドル/円
買いレンジ:95~105円
売りレンジ:105~115円
トラップ本数:売買101本ずつ
トラップ間隔:10pips
利確幅:40pips
ストップロス:なし
ストップオーダーモード:false(通常のトラリピ式運用)

まずはMT4左側の気配値表示の通貨ペアリストで右クリック→「通貨ペア」と選択し、通貨ペアリストから運用する通貨ペアを選択して「表示」を押します。
表示された通貨ペアは黄色くなります。

次に通貨ペアリストに表示されたペアを右クリック→「チャート表示」と選択してチャートを表示させます。
表示されたチャートに、ナビゲーターウインドウにあるEAをドラッグ&ドロップします。
するとEAの設定画面が出るので、まずは買いトラリピを設定します。
(「全般」タブの「自動売買を許可する」チェックボックスは今は外しておきます)

まずは買いトラップの設定をします。

続いて売りトラップの設定をします。
同じチャートをもう一つ開き、EAをドラッグ&ドロップして設定を行います。

設定を終える前に閉じてしまったときは、チャート右上に出ている顔マークをクリックするとEAの設定画面を開くことができます。

稼働するEAの数だけチャートを開く必要があります
ダイヤモンド戦略のようにレンジを4つに分けて仕掛ける場合は、チャートを4つ開いてそれぞれにEAを設定します。

ここまでの設定に間違いがないことを確認したら、EA設定の「全般」タブの「自動売買を許可する」チェックボックスをオンにします。

つづいて「ツール」→「オプション」と開き、「エキスパートアドバイザ」タブの「自動売買を許可する」チェックボックスをオンにします。
ほかのチェックボックスは「自動売買を許可する」の下2つだけで問題ないです。「OK」を押すことでダイアログが閉じ、自動売買が開始します。

自動売買が開始すると、チャート右上の顔マークが笑顔に変わります。また、ツールバーの「自動売買」ボタンも緑の再生マークに変わります。
(ツールバーの「自動売買」ボタンでも稼働、停止ができます)

これでデモ口座でEAが稼働しました。お疲れさまでした。

あとは数週~3か月程度稼働させてみて、感触が良ければ本番の口座でトラリピを開始してください。
トラリピは多くの場合含み損から始まるので、数週間程度の運用では損をしたという感覚になってしまいます
3か月程度続ければプラス収支になるはずですので、トラリピの良さを実感できると思います。

フォワードテスト中はMT4を稼働させ続ける必要があります。途中で閉じたりPCをシャットダウンするとリピートが行われません。

このページで公開しているEAはテスト用ですが、デモ口座専用等の利用制限はついていないため本番口座でも使えてしまいますので、テストの際は注意してください。
リスクを理解したうえでご利用お願いします。

当サイトはEAによって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。



MT4+EAを使うならVPS利用がおすすめ

MT4とEAでトラリピ式運用している最中に、MT4を閉じたりPCをシャットダウンするとリピートが行われず、等間隔に1回だけの注文を出しただけになってしまいます。
何回も繰り返すのがトラリピなので、これでは意味がありません。

電源をあまり切らずスリープにしているという方もいると思いますが、スリープでもMT4は止まってしまうので、EAを稼働させ続けるにはスリープも無効にしてつけっぱなしにする必要があります。

とはいっても、PCを24時間毎日つけっぱなしにするわけにはいきませんよね。
電気代もつけっぱなしだと月2000円程度かかってしまいますし、MT4を稼働させていると他の作業も行いにくくなってしまいます。

そこで、VPSの利用をおすすめします。

VPSとは仮想専用サーバーのことで、
簡単に言えばクラウド上で稼働するレンタルPCです。
VPS上でMT4とEAを稼働させることで、自分のPCを使うことなく24時間トラリピ式運用を続けることができます。

VPSのサービスは多くありますが、その中でもMT4専用のVPSであるお名前.com デスクトップクラウド for MT4がおすすめです。



お名前.com デスクトップクラウド for MT4は、for MT4とうたっているとおり、
MT4に特化したVPSサービスです。
MT4用の調整がされていることはもちろん、メンテナンスもほぼ自動で行ってくれます。
主要なFX会社のMT4は初めから入っているのでMT4を導入する手間もありません。
ユーザーがやることはEAの導入と、月に一回程度手動で再起動してあげることくらいなのでとても楽です。

そして何より、月額料金が安いです。

キャンペーン価格ですが、月税込み1353円は電気代より安いですね。
3か月フォワードテストするなら自宅で自分のPCをつけっぱなしよりも、お名前.com デスクトップクラウド for MT4を3か月契約したほうが良いですね。

プランが複数ありますが、トラリピ式運用でハーフ&ハーフを3通貨ペア程度なら最小の1.5GBプランで十分です。
通貨ペアをもっと増やしたかったり、ダイヤモンド戦略のような複数のレンジを設定する場合は2.5GBプランも良いでしょう。月1793円ならまだ電気代より安いですね。

4GBプラン以上はトラリピ式運用には過剰ですが、将来的にほかのEAも稼働させる予定があるなら4GB以上もありです。現在キャンペーン期間で、特別価格がキャンペーン期間終了後も永久適用されます。

とはいえプランのアップはいつでもできるので、まずは1.5GBで良いと思います。
わたしもEAのテストとたまに行う裁量トレードのために1.5GBプランを利用中です。

プランアップではキャンペーン価格にならないので注意してください

バックテストやフォワードテスト、トラリピ運用試算表をうまく使い計画を立て、公開のない資産運用になるようにしましょう。





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