2022年5月 設定停止
円安トレンドが続くため下記のコアレンジャー戦略は停止しています。
相場が落ち着いたら再開します。
こんにちは。トライオートFXで200万円を運用しているシンです。
トライオートFXとはインヴァスト証券のFX自動売買サービスで、一度設定して運用開始すれば24時間取引を続けてくれます。
チャートに張りつく必要がないので、サラリーマンの副業にうってつけです。
(副業禁止の会社でも、FXは投資とみなされ副業に当たらないとされる場合が多いです。このあたりは就業先の規則を確認しましょう。)
この記事では、トライオートFXで現在運用している設定を紹介します。
トライオートFXではなく、トラリピ(マネースクエア)でもほぼ同じ設定で運用できます。
実はトラリピの方が大きい利益を狙える可能性がありますが、トライオートFXの方が管理は簡単です。
この記事を参考に設定しても良いですし、そのままマネすればわたしと同じ運用成績になります。ぜひご参考に。
運用中の設定
トライオートFXには、ビルダー機能という自分で設定したロジックで運用できる仕組みがあります。
このビルダー機能で作成した、クロス円3通貨ペアの変則コアレンジャーで運用中です。
スワップが気にならない!クロス円3通貨ペアの変則コアレンジャー
通常のコアレンジャーは1つの通貨ペアでチャートを良く動くコアレンジと戻りを待つサブレンジの2つに分け、
コアレンジでは売り買いの両建て、上のサブレンジでは売り、下のサブレンジでは買いを大きい値幅で仕掛けるロジックです。
為替相場は7割がレンジ相場(一定の価格帯で上下する相場)と言われています。
レンジ相場になるであろう価格帯をコアレンジにして、
売り買い両建ての設定とすることで決済益を積み上げていくのがコアレンジャー戦略の狙いです。
3通貨ペアの変則コアレンジャーは、3つの通貨ペアでコアレンジャーを形成します。
単純にコアレンジャー3つではなく、2通貨ペアは買いのみ、売りは1通貨ペアで、すべてプラススワップの通貨ペアとします。
具体的には、
・豪ドル/円とカナダドル/円の買い
・ユーロ/円の売り
をそれぞれ仕掛けます。
※2022年2月以前はユーロ/円とスイスフラン/円の売りを運用していましたが、現在はスイスフラン/円を停止し売りはユーロ/円1本に変更しました

通常のコアレンジャーを3つ仕掛ける場合は3通貨ペア分の資金が必要ですが、
この変則コアレンジャーでは買い2通貨ペア分の資金だけでOKです。
さらに、売りの通貨ペアと買いの通貨ペアが同時にコアレンジにいる期間は
(図のレンジが重なっている位置)
2通貨ペア分の資金で3通貨ペア分の利益を稼ぐことができます。
具体的な設定値
カナダドル/円と豪ドル/円は1000通貨単位
ユーロ/円は2000通貨単位
カナダドル/円 | 豪ドル/円 | ユーロ/円 | |
---|---|---|---|
売買方向 | 買い | 買い | 売り |
サブレンジ①値幅 | 90~95円 | 85~90円 | 120~125円 |
コアレンジ値幅 | 80~90円 | 75~85円 | 125~140円 |
サブレンジ②値幅 | 75~80円 | 65~75円 | 140~145円 |
サブレンジ① トラップ間隔 | 75pips | 75pips | 50pips |
コアレンジ トラップ間隔 | 30pips | 50pips | 25pips |
サブレンジ② トラップ間隔 | 100pips | 100pips | 100pips |
サブレンジ① 利確幅(利益値幅) | 75pips | 75pips | 60pips |
コアレンジ 利確幅(利益値幅) | 50pips | 50pips | 60pips |
サブレンジ② 利確幅(利益値幅) | 1000pips | 1100pips | 1000pips |
カナダドル/円買い

豪ドル/円買い

ユーロ/円売り

シミュレーション結果

想定運用資金
①150万円(コロナショックに耐えられた金額+α)
想定年利15%前後
②200万円(リーマンショック級の暴落に耐えられる)
想定年利11%前後
わたしは200万円で運用しています。
以前の設定(200万円で年利15%)より想定ロスカットレートを下げているので年利もひかえめですが、2022年3月現在、世界情勢不安で為替市場の先行きが不透明なのでしばらくはこの設定で運用します。
想定年利はシミュレーションの結果ですので、
コアレンジにどのくらいの期間いるかにより増減します。
想定レンジ
過去のチャートを見て豪ドル/円とカナダドル/円は下半分、ユーロ/円は上半分になるようにしていますが、今後急激な円高にはならないと考え少し高値側にしています。
売りのユーロ/円は必要証拠金が多いため、買いの豪ドル/円とカナダドル/円よりトラップ本数が少なくなっています。
・豪ドル/円
2010年以降のサポートがある75円をコアレンジ下限とし、そこから上10円の75~85円をコアレンジとしています。サブレンジはコロナショック時の月足ローソク実体がある65円以上とし、円安を見込んで85~90円もサブレンジとしています。
入金100万円でのロスカットレートは55円で、過去最安値まで耐えられます。
・カナダドル/円
2020年は約74円まで下落しましたが、長期で見た場合80円以下の期間は短いため80円をコアレンジ下限、75円をサブレンジ下限としています。円安を見込んで90~95円もサブレンジとしています。
入金100万円でのロスカットレートは68円で、過去最安値まで耐えられます。
・ユーロ/円
以前の設定では135円をコアレンジ上限としていましたが、円安を見込んで140円をコアレンジ上限としています。サブレンジは変わらず上限145円で、安値側120~125円もサブレンジとしています。
入金200万円でのロスカットレートは152円で、2010年以降の最高値150円に対して少し余裕を見ています。
ロスカットレートはエクセルなどでも計算できますが、
トラリピ運用試算表を使えば簡単に計算できます。
(トラリピの口座を持っていれば使えます)
なぜこの3通貨ペアなの?
カナダドル/円、豪ドル/円、ユーロ/円はすべて対円の通貨ペアであるクロス円と呼ばれています。
(ちなみに同じ対円ペアでも米ドル/円はドルストレートと呼ばれています)
クロス円ペアは値動きに相関性、つまり同じような値動きをする傾向があります。
よってこれらの通貨ペアで運用した場合、
ショック相場ではすべてのペアが下落することになります。
すべて下落するということは、
暴落局面で含み損を抱えるのは豪ドル/円とカナダドル/円の2通貨ペアになります。
ユーロ/円は下方向にレンジアウトするので含み損0です。
逆に円の価値が下落しクロス円の相場が高騰した場合は、
豪ドル/円とカナダドル/円は上方向にレンジアウトし含み損0、
ユーロ/円だけが含み損になります。
暴落局面では売りの通貨ペアはレンジアウトし、買いの通貨ペアだけが含み損になるため
2通貨ペア分の資金だけで3通貨ペアの運用ができるわけです。
買いの通貨ペアは豪ドル/円とカナダドル/円の2つにしていますが、どちらか片方のみにして数量を2倍としても大丈夫です。
ただ、バックテストでは豪ドル/円とカナダドル/円どちらか片方の場合と同時運用の場合でほとんど差がないためリスク分散の期待も込めて豪ドル/円とカナダドル/円に分け、それぞれ100万円の資金割り当て(合計200万円)にしています。
また、この3通貨ペアは北米、オセアニア、ヨーロッパへの分散になっています。この分散は地政学リスク低減にも有効です。
スワップポイントがプラス
豪ドル/円の買い、カナダドル/円の買い、ユーロ/円の売りはすべてスワップポイントがプラスです。
ポジションを持っていると毎日スワップがもらえます。
それってそんなに良いの?と思うかもしれませんが、
わたしがトラリピとトライオートFXで過去ハーフ&ハーフを運用していてわかったことは、
スワップ支払いの影響はかなりきついということです。
たとえばトラリピの米ドル/円を売りレンジで運用していると、1つのポジションにつき
1日当たり約10円ずつマイナスのスワップが貯まっていきます。
1日10円マイナスということは、利確幅30pipsの場合
1か月決済されずにポジションを持ちっぱなしだと、
決済されたとしても決済益300円とスワップの300円支払いで利益0になってしまいます。
相場のボラティリティが大きければ決済益がスワップ支払いで引かれる分を大きく上回り
マイナスのスワップポイントでも気にする必要は無いのですが、
最近は為替相場のボラティリティが低下していますし
トレンドが発生すると1か月以上元の価格に戻らないなんてことはよくあります。
1回あたり数百円の決済益を何度も積み上げていくのがトラリピやトライオートFXですが、
その数百円の決済益からマイナススワップで数百円引かれていては利益になりません。
このマイナスのスワップがいやだったので、
ハーフ&ハーフから撤退し新しい戦略を始めることにしました。
変則コアレンジャーなら、相場がどの位置にいてもスワップがプラスなので
ポジションが全然決済されずに塩漬けになっていても気長に待てます。
設定方法
スクショしたのでこの通りに設定すればOKです。
トライオートFXの場合
ビルダー→FXで作る→マルチカスタムから通貨ペアを選択して入力します。
サブレンジ②の利確幅は発注後に変更します。
(ビルダーの入力画面では制限がありレンジ幅以上の利確幅にできないため)
豪ドル/円

カナダドル/円

ユーロ/円

トラリピの場合
豪ドル/円

カナダドル/円

ユーロ円

上の画像では設定していませんがトラリピではサブレンジで決済トレールをオンにすることで戻りでの利益を増大させることができます。
利益金額を大きくしても良いと思います。
あと、トラリピではトラップ間隔を中途半端な値にしています。
トラリピではなぜかキリの良い値段の手前で足踏みすることがよくあるので
中途半端な位置にトラップを仕掛けてさっさと約定させる狙いです。

変則コアレンジャーの応用
もっと利益を出したいとき
もっと利益を出したい場合は、買いのレンジを上に広げることで同時にコアレンジにいる期間が長くなり利益が増えます。
その分必要な資金も増えるのでトラリピ運用試算表でしっかりリスク計算することが大切です。
たとえば買いレンジを上に広げる場合、ロスカットレートを200万円運用時と同じにしようとすると
トラップ1本ごとにざっくり25,000円追加で必要です。
レンジを広げる場合の注意点
豪ドル/円とカナダドル/円の買い、ユーロ円の売りの同時運用は
ユーロで円を買い、円で豪ドルとカナダドルを買っているということになります。
よってユーロ/豪ドルとユーロ/カナダドルのレートが重要になります。
この戦略では暴落局面でユーロ円が下にレンジアウトする前提で豪ドル/円とカナダドル/円のロスカットレートを計算していますが、このときユーロ/円がレンジ内にいる(ポジションを持っている)場合ロスカットレートが変わってしまいます。
そのため豪ドル/円とカナダドル/円がロスカットレート付近のときはユーロ/円はレンジアウトしているような設定にしておく必要があります。
例えばユーロ/豪ドルの過去最高値は1ユーロ約2.11豪ドルですが、このとき豪ドル/円が55円だとするとユーロ/円は116円となります。
同様に ユーロ/カナダドルの過去最高値は1ユーロ約1.75カナダドルなので、カナダドル/円が68円のときユーロ/円は119円です。
もしユーロ/円のレンジを120円よりも下に広げていると、暴落局面でもユーロ/円のポジションを持っている状態になりロスカットレートが変わってしまいますね。
つまりユーロ/円売りのレンジは下限を120円以下にはしない方が良いということになります。
レンジを広げる場合はユーロ/豪ドルとユーロ/カナダドルのレートも考慮して決める必要があります。
100万円で運用したい
半分の資金で運用したい場合は、トラップ本数を半分かつトラップ値幅を2倍にすれば半額の100万円で運用できます。
例えばカナダドル/円のコアレンジでは、本数34本トラップ値幅30pipsから本数17本トラップ値幅60pipsに変更します。
または200万円の設定で発注後、間引きしてもOKです。この場合土日に行うことをおすすめします。

逆に、トラップ本数を2倍にすれば必要な資金が2倍になりますが利益も2倍になります。
トラップ本数を増やすのではなく注文数量を2倍にしても良いです。
複利運用したい
買いの2通貨ペアはそれぞれ100万円で運用する想定です。
ということは、100万円貯まるごとにどちらかを1セット追加すれば複利運用ができます。
200万円運用ではシミュレーションの年利11%前後なので、
およそ5年で1セット追加できることになりますね。
毎月1万円ずつ追加入金していけば利益と合わせて約3年に縮まります。
そんなに待てないというときは、トラップを1本ずつ追加していくという方法もあります。
上でちらっと触れましたが、トラップを1本追加するのに買いレンジでは25,000円、売りレンジでは30,000円必要です。
ということで、3万円貯まったらカナダドル/円とユーロ/円にトラップ1本追加、
もう3万円貯まったら今度は豪ドル/円とユーロ/円にトラップ1本追加といった感じで
3万円貯まるごとに増やしていけば短期間かつ同じリスクで複利運用できます。
トラップを追加する方法
トライオートFXの場合
同じ自動売買をもう1セットあらかじめ発注しておき、追加の方は全停止します。
発注証拠金がある程度必要なので、豪ドル/円を追加して全停止→カナダドル/円を追加して全停止といった具合に1通貨ペアずつ行ってください。
変なところでポジションを持たないために、土日に行うことをおすすめします。
その後、3万円貯まるごとに現在レート付近のトラップを再稼働させていきます。
たとえば現在レートが豪ドル/円80.2円だったら、80円のトラップを再稼働させます。
トラップ追加ではなく、稼働中の自動売買の設定を開き数量を変更しても良いです。
ただしポジションを持っているトラップの数量は変更できないので注意してください。

トラリピの場合
トラップ毎に停止や再稼働はできないので、現在レート付近にトラップ1本のトラリピを追加稼働させます。
たとえば現在レートが豪ドル/円80.2円だったら、80円付近にトラップ1本のトラリピを追加稼働させます。
レンジアウトしている場合は、トラリピを取り消し、本数を1本追加し新規稼働させます。
トラップ本数を増やしてレンジを変更しない場合トラップが中途半端な位置に設定されますが、
トラリピの場合中途半端な位置で設定したほうが良いのでレンジはそのままで大丈夫です。

やってはいけないこと
変則コアレンジャーは買いのスワップがプラスのペアと売りスワップがプラスのペアを組み合わせて運用することがコンセプトです。
ただし、スワップがプラスだからといってたとえば
カナダドル/円買いとユーロ/英ポンド売りのような組み合わせを1通貨ペアの資金で運用してはいけません。
リスクオフ局面(ショック相場)ではカナダドル/円は下落しユーロ/英ポンドは上昇するので
この2通貨ペアの場合資金も2通貨ペア分必要になります。
同じ方向に動く通貨ペアの売りと買いを組み合わせるということを守れば、
クロス円ではなくドルストレートで組み合わせるなど応用が利く戦略だと思います。
特にスワップを気にしなくていいのはかなり大きなメリットだと思いますので、
この3通貨ペアの変則コアレンジャー、ぜひ試してみてください。
米ドル/円とスイスフラン/円から撤退した理由
以前は米ドル/円とカナダドル/円の買い、ユーロ/円とスイスフラン/円の売りの4通貨ペアで運用していましたが、米ドル/円とスイスフラン/円からは撤退しました。
米ドル/円から撤退した理由は単純にパフォーマンスが低いからです。
安全資産と言われている日本円と基軸通貨の米ドルは有事では同時に買い圧力がくるため瞬間的な値動きが比較的小さい(ショック相場でのリスクが低い)のですが、普段の値動きも小さいので利益が小さいです。
過去最安値、最高値の値幅は豪ドル/円と大差ない(必要資金が豪ドル/円と同程度)にもかかわらず、普段の値動きが小さく利益率が悪いため、同じ資金を使うなら豪ドル/円の方が高パフォーマンスになります。
スイスフラン/円も安全資産同士のペアなので米ドル/円同様に普段の値動きが小さいです。
これも撤退理由の一つなのですが、2022年2~3月のロシアのウクライナ侵攻によりユーロ/フランの下落が大きいことがもう一つの理由です。
以前の設定ではユーロ/円のコアレンジを125~135円、スイスフラン/円のコアレンジを115~125円としていたのですが、ユーロ/フランのレートが1を割り込む水準まで低下したことでユーロ/円はコアレンジを下にレンジアウト、スイスフラン/円はコアレンジを上にレンジアウトの状態になってしまいました。
この状態では利益が伸びないうえに、2022年3月頭のスイスフラン/円はスワップが売り買い両方マイナスでありプラススワップの通貨ペアのみで運用するというコンセプトからも外れてしまったので、撤退することにしました。撤退で損切りが発生しましたが、トータルでは7か月で+12万円(年利10.3%)で悪くない結果でした。
トライオートFXの運用では、その運用ペアがレンジになっているかどうかも重要ですが普段の値動きや地政学リスクも重要です。
最低でも2つの地域、通貨ペアに分散させた方が良いでしょう。
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