【トライオートETF】ナスダック100トリプル(TQQQ)発注制限後の代用を考える

トライオートETF

ETF(上場投資信託)を自動売買で運用できるトライオートETFでは、数あるETFの中でも特に利益率が高い
ナスダック100トリプル(TQQQ)
が一番人気です。

わたしもナスダック100トリプルを運用していますが、ここ最近(6月~7月)は
週平均1万円の利益(元本50万円)
を継続していて絶好調です。

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しかし残念なことに、8月以降はナスダック100トリプルの自動売買新規発注ができなくなってしまいました・・・

既存ユーザーは8月以降も引き続き運用可能ですが、今後完全停止になってしまう可能性も否定できません。
実際、去年の夏にトライオートFX、ETFがリニューアルしたときは自動売買がすべて強制停止され、マニュアル注文に移行されました。
その時は同じ自動売買を再発注すれば良かったのですが、8月以降はそれができません。

そこで、ナスダック100トリプル以外で自動売買に向いている銘柄を考えてみます。

トライオートETF

そもそもナスダック100トリプル(TQQQ)とは?

ナスダック100は、アメリカのナスダック総合指数の構成銘柄のうち、金融業種以外の時価総額が最も高い100銘柄で構成されています。
ナスダックはベンチャー企業向けの市場であり、ナスダック100の構成銘柄は必然的にハイテク株が中心となっています。

ナスダック100トリプルは、ナスダック100の3倍の値動きをするレバレッジETFです。
レバレッジETFは、あくまでも1日の値動きに対してレバレッジ倍されるようになっているので、長期で見た場合はレバレッジ倍の値動きになりません。
(長期の積み立て等には向かない)

値動きが激しいので短期で売買を繰り返すトライオートETFとの相性が抜群だったのですが、
残念なことに新規の自動売買稼働ができなくなってしまいました・・・

ナスダック100トリプルのかわりは?

トライオートETFにはナスダック100トリプル以外にも多くのETFがそろっているので、
自動売買に向いている銘柄を考えてみます。

ナスダック100(QQQ)

トリプルではない本家ナスダック100は、ナスダック100トリプルの代用として真っ先に思いつくと思います。

長期的に値上がりが期待できるうえに値動きも大きいです。
2021年7月現在の価格は約360ドルで、ナスダック100トリプルの約3倍の価格となっています。

ナスダック100がナスダック100トリプルの約3倍の価格ということは、1日何ドル動くかはナスダック100とトリプルでほぼ同じです。
実際、記事作成時点(7/22)での4時間足ATR14(4時間で何ドル動くかの過去14本平均)は

QQQ:2.59ドル
TQQQ:2.74ドル

でほぼ同じとなっています。
一日何ドル動くかがほぼ同じならナスダック100トリプルの設定からレンジだけ変えれば同じ利益が狙えるのでこれでいいような気がしてきますが、注意点があります。

ナスダック100の注意点

ナスダック100トリプルのかわりとしてナスダック100を運用する場合、
・スプレッド
・必要証拠金
に注意が必要です。

記事作成時点(7/22)でのスプレッドは、

QQQ:2.14ドル
TQQQ:0.76ドル

となっています。スプレッドは売り価格と買い価格の差で、ポジションが決済されるには利確幅に加えてスプレッド分余計に値上がりしないといけません。

例えば利確幅3ドルの場合、ナスダック100トリプルなら買った価格から3.75ドル値上がりすれば決済されますが、
ナスダック100の場合は5.14ドル値上がりしないと決済されません

シミュレーションで影響を確認できます。
ナスダック100トリプルは今年1月に分割があったので、2021年2月1日~6月31日の実現損益で比較してみます。

設定

ナスダック100ナスダック100トリプル
レンジ幅(ドル)100100
本数100100
数量(口)11
スタート価格(ドル)370140
利確幅(ドル)33
カウンター値(値幅)33

ナスダック100シミュレーション結果

ナスダック100トリプルシミュレーション結果

2021年2月1日~6月31日の実現損益
QQQ:63,093円
TQQQ:65,493円

ナスダック100はトリプルよりも3.7%利益が低い結果になりました。
わずかですが確かにスプレッドの影響がありますね。

スプレッドが広いなら利確幅をその分広げれば利益はある程度カバーできるのですが、
必要証拠金が高いことは注意が必要です。

シミュレーション結果に発注に必要な証拠金が載っていますが、
QQQ:800,000円
TQQQ:290,000円
なので、ナスダック100は同じ本数の場合約3倍の証拠金が必要です。

価格が約3倍なので必要な証拠金も約3倍なのですが、実際に運用するときは発注に必要な証拠金だけでは足りないので、QQQがどこまで下がるかを見込んで証拠金を用意しなければいけません。

ナスダック100はどこまでの暴落を考えればいい?

どこまで下がるかは予測が難しいのですが、例えばコロナショックでは直前の高値から約30%下落しました。
現在レートから30%の下落を見込むとすると、250ドルまでの下落に耐える資金を用意すればいいことになります。

コロナショックでの底値までの下落を見込むなら約160ドルまでの下落に耐える必要がありますが、
360ドルから160ドルまでの下落は%でいうと55%なので、リーマンショック超える下落率です。

さすがにここまでの暴落はすぐには無いと思うので、
限250ドル、余裕を見て200ドルまでの下落を想定しておけばいいと思います。

テクニカル指標で考えると、コロナショックでは週足一目均衡表の雲下限付近で反発しました。
同じ傾向になると考えるなら、現在の雲下限250ドルが下値の目安になりそうです。
ただし2019年以前は雲を下抜けることも良くあったので、余裕を見て200ドルまでの下落を想定しても良いかもしれません。

ロスカットレートはこの式で計算できます。(公式ページより)

ロスカットレート =
全ポジションの平均価格 - (運用資金 - 全ポジションの平均価格 × 本数 × 数量 × ドル円レート ÷ 5) ÷ (本数 × 数量) ÷ドル円レート

またはこの式をまとめて

ロスカットレート =
全ポジションの平均価格 ×1.2 - 運用資金 ÷ 本数 ÷ 数量 ÷ ドル円レート

トラリピ式戦略で等間隔にトラップを仕掛ける場合、レンジの中央価格が全ポジションの平均価格です。

上のシミュレーションの設定を100万円で運用する想定でロスカットレートを計算してみます。
ドル円レートは、株価が暴落するときは大抵ドル円も下落するのですがとりあえず110ドルにします。

ナスダック100ナスダック100トリプル
レンジ幅(ドル)100100
本数100100
数量(口)11
スタート価格(ドル)370140
利確幅(ドル)33
カウンター値(値幅)33

ナスダック100
= 320 × 1.2 - 1000000÷ 100 ÷ 1 ÷ 110
= 293ドル

ナスダック100トリプル
= 90 × 1.2 - 1000000÷ 100 ÷ 1 ÷ 110
= 17ドル

ナスダック100トリプルは100万円あればコロナショック以上の暴落でも耐えますが、
ナスダック100は100万円だと耐えられずロスカットになることがわかりますね。
ナスダック100をトラリピ式戦略で運用する場合は、レンジを狭くするか資金を増やす必要があります。

自動売買セレクトのヘッジャーロジックを100万円で運用する場合は

ヘッジャー1本
= 360 × 1.2 - 1000000÷ 18 ÷ 1 ÷ 110
= -73ドル
(運用開始価格で全ポジションを持つ想定)

となり、実際のヘッジャーは売りロジックも入っているのでもっと低い価格まで耐えます。
100万円ならヘッジャーを3本稼働させてもコロナショック級の暴落に耐えられます。
(ヘッジャー1本なら35万円でOK)

ナスダック100を運用する場合はトラリピ式戦略よりも
自動売買セレクトのヘッジャーやカウンターロジックで運用することをおすすめします。

ヘッジャーは暴落が起こると価格が回復するまで塩漬けになってしまうので、暴落が起こったらその時点で新しくヘッジャーを追加発注すると良いと思います。

トライオートETF

S&P500ダブル(SSO)

いわずと知れたアメリカを代表する指数のS&P500。
これを買うだけでアメリカの選りすぐりの500銘柄に分散投資ができます。

積み立て投資ではこれを買っておけば良いとまで言われているS&P500ですが、
S&P500の2倍の値動きをするのがS&P500ダブルです。

これもレバレッジETFですので、今後ナスダック100トリプルと同様に取引制限がかかる可能性がありますが、それを承知の上なら選択肢になります。

レバレッジETFとはいえ倍率は2倍で、S&P500はナスダック100よりも値動きが小さいので利益はナスダック100トリプルより劣ります。

記事作成時点での4時間足ATR14は

TQQQ:2.74ドル
SSO:1.43

なので、ナスダック100トリプルの約半分の値動きです。
値動きが半分でナスダック100トリプルとおなじ利益を出そうとすると、本数を約2倍にするか利確幅を広げる必要があります。

コロナショックでの下落率は
TQQQ:73%
SSO:61%
ですので、ナスダック100トリプルよりはマシですがかなりの下落率です。
この下落率で本数をナスダック100トリプルの2倍にするのはリスクが高いですね。

S&P500は○○ショックの下落率がナスダック100よりも大きい傾向があります。

ナスダック100は金融セクター以外の銘柄で構成されているのに対し、
S&P500は金融やエネルギー関連等のショック相場に敏感な銘柄も組み込まれているためです。

となると、利確幅を広げる運用の方が良さそうです。
バックテストでは、S&P500ダブルは利確幅19ドルでナスダック100トリプルの利確幅3ドルと同等の利益になりました。

S&P500ダブルナスダック100トリプル
レンジ幅(ドル)100100
本数100100
数量(口)11
スタート価格(ドル)125140
利確幅(ドル)193
カウンター値(値幅)193

S&P500ダブルシミュレーション結果

ナスダック100トリプルシミュレーション結果

利確幅19ドルだとなかなか決済されないので退屈かもしれません。

ナスダック100トリプルと同等の利益を目指さないのであれば、
長期的にみて右肩上がりで値動きもあるS&P500ダブルは良い選択肢になります。

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テクノロジー株(XLK)

テクノロジー株の組入上位銘柄はアップル、マイクロソフト、Nvidia等のハイテク株で、ナスダック100と似ています。
構成銘柄が似ているので、ナスダック100と似たような値動きが期待できます。

テクノロジー株は現在レートが約150ドルでナスダック100の半分以下なので、
ナスダック100よりも証拠金を抑えられます

また、コロナショックでの下落率は約34%でナスダック100と同等です。
ナスダック100トリプルは73%の下落なのでロスカットレートをかなり低くしておく必要がありますが、
テクノロジー株なら40%程度の下落を想定しておけばとりあえず安心です。

下落幅が低いことを活かし、自動売買を狭い範囲にたくさん仕掛けることで、ナスダック100トリプルと同等の利益が期待できそうです。

具体的には、ナスダック100トリプルの設定をそっくりそのままテクノロジー株にして、数量を2倍にしてもリスクはだいたい同じになります。

たとえばわたしがナスダック100トリプルで運用している設定や、
ネット上で有志の方が公開しているナスダック100トリプルの設定をテクノロジー株に読み替えて、
数量だけ2倍にした設定をビルダー機能で作成すれば、同じ資金でだいたい同じ運用ができます。

テクノロジー株は価格の変動がナスダック100トリプルより小さいので
利益はナスダック100トリプルより劣ります

テクノロジー株の4時間足ATR14は記事作成時点で1.43と低いので、
利確幅はナスダック100トリプルの半分程度にしないとなかなか決済されません。

ただ、利確幅を狭くすると利益も減るので狭くし過ぎるのも問題です。
わたしがナスダック100トリプルで運用している設定をテクノロジー株でやるなら、
利確幅は狭い方は2ドル、広い方は6ドル程度が良いと思います。

カテゴリー:トライオートETF

テクノロジー株の注意点

テクノロジー株は現状ナスダック100と構成銘柄が似ていますが、今後はどうなるかわかりません。

ナスダック100は定期的な銘柄入れ替えによりハイテク企業が低迷したときは他のセクターの企業の比率が高くなりますが、
テクノロジー株はハイテク企業が低迷したら価格が戻らない可能性もあります。
(ほかのテーマ型ETFも同じリスクがあります)

ハイテク企業が低迷する未来は想像しにくいので当面は大丈夫だと思いますが、テーマ型ETFのリスクは理解しておきましょう。
不安な場合は他のテーマにも分散しておくと良いです。

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金融株トリプル(FAS)

名前の通り金融株の3倍の値動きをするETFで、
トライオートETFの全銘柄で最も値動きが大きいETFです。

値動きが大きいほど自動売買は利益を出せるので、
うまく運用すればナスダック100トリプルを超える利益を出すことも可能です。

4時間足ATR14は記事作成時点で3.59ドルなのでかなり値動きが大きいことがわかります。
トラリピ式戦略ならかなりの利益が期待できます。

ただしリスクも大きいです。
コロナショックでは108ドルから14ドルまで下落したので、下落率は90%近いです。
これは強烈ですね・・・

暴落後に価格が回復するまでの期間も1年2か月と長いです。
日経平均株価が25000円に回復するまで30年かかったことと比べれば驚異的な短さとも言えますが、
ナスダック100やS&P500と比べると回復に時間がかかることは注意です。

金融株トリプルを運用する場合は、0ドルまで下落しても耐えられる設定でないと危険です。
見方を変えると、0ドルまで耐える設定で運用する前提ならナスダック100トリプルよりも大きい実現損益を狙えます

例えば0~200ドルの間に1ドル刻みで自動売買を仕掛ける設定なら、
約260万円で運用すれば0ドルまで下落してもロスカットせず耐えられます。
(上にあるロスカットレートの計算式にあてはめて計算できます)

ナスダック100トリプルを0ドルまで下落しても耐える設定で運用している人は多いので、
その設定をビルダー機能で真似して金融株トリプルで作成するのも良いと思います。

まとめ

どれも一長一短でナスダック100トリプルを完全に代替するのは難しいですが、
似たような運用は他のETFを使えばできます。

・よくわからないから簡単に始めたい
 ⇒自動売買セレクトのナスダック100_ヘッジャーナスダック100_カウンター

ナスダック100トリプルに近い運用がいい
 ⇒テクノロジー株でナスダック100トリプルの設定を真似する
  (本数は増やす)

・ナスダック100トリプルと同じ利益を出したい(ハイリスク)
 ⇒金融株トリプルでナスダック100トリプルの設定を真似する

実現損益重視なら金融株トリプルが良いです。
他よりリスクが高いので、0ドルまで下落しても耐える設定で運用してください。

レバレッジETFは今後制限される可能性があるので、
長く続けたいならナスダック100かテクノロジー株です。
自動売買セレクトならナスダック100、
ビルダーでトラリピ式戦略ならテクノロジー株が良いと思います。

どれを選んだとしても、トライオートETFはレバレッジをかけているためロスカットのリスクがあります。
うっかりロスカットとならないようリスク計算はしっかり行い、生活に必要な資金は使わないようにしましょう。

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