最近、ビットコインが3年ぶりに史上最高値を更新するなど仮想通貨が盛り上がっていますね。3月に暴落してから1年も経たないうちに最高値を更新するなんてまったく予想できませんでした。
相場予想がむずかしい仮想通貨に投資をするなら、積み立て投資が相場予想が不要で最も簡単、効果的だと思います。
しかし積み立て投資のほかにもうひとつ、相場予想が不要な投資方法があります。それが自動売買です。
この記事では、仮想通貨では珍しい自動売買サービスの「HEYBIT(ヘイビット)」を、実際に運用した結果について紹介します。始まったばかりのサービスで口コミもほとんどないので、自分で運用して検証してみました。
結論から言うと約4か月で損益約+20%、年利換算で約60%、12月のリップルショックの影響ほぼなしと安定した成績です。
重要:無料版はサービス終了しました
無料ながら安定した成績だったのですが、HEYBITプレミアムに集中するとの理由で無料版のFreeがサービス終了してしまいました。(有料のプレミアムは残っています)
プレミアムは成績が良いみたいですが、わたしは移行せずに撤退しました。正直なところ、有料の自動売買を使うくらいなら積み立てで良いと思います。上昇志向のビットコインをドルコスト平均法で積み立てれば、短期的には損失が出たとしても、長期で見れば高い確率で利益になります。
ドルコスト平均法は、一定の時間間隔(1日や1か月)で同じ金額を積み立てるので、下がった時は多く買い、上がったら買う数量が少なくなります。つまり、高値掴みのリスクが低減されます。しかも、自動売買同様にいつ始めても結果に大きくは影響しません。
手動で積み立てても良いですが、上昇中は良くても下落中に手動で積み立てるのは精神的につらいので、自動で積み立てできるサービス(コインチェックつみたて等)の利用をおすすめします。積み立てるのは、アルトコインは投機的な面が強すぎるのでビットコイン(と、しいて選ぶならイーサリアム)だけで良いと思います。
上昇志向のビットコインで自動積み立てを設定したら、あとは気絶してください。気が付いたころには利益になっているはずです。
仮想通貨自動売買「HEYBIT(ヘイビット)」とは
フリーはサービス終了しましたが、一応記事は残しておきます。
HEYBIT(ヘイビット)は、2020年4月にサービスを開始した仮想通貨の自動売買サービスです。FXではトラリピやトライオートFX、MT4のEA(エキスパートアドバイザ)など多くの自動売買サービスがありますが、仮想通貨では珍しいです。
仮想通貨は値動きが激しいうえに相場の予想が非常に難しいので、利益を出そうとすると大変です。しかし、自動売買ならシステムが自動で売買を繰り返してくれます。
HEYBITの運営はUPRISE社という韓国の企業ですが、ホームページは日本語対応しており、問い合わせも日本語でできるので特に悩むことなく利用できます。
HEYBIT自体は取引所のAPIトークンを使用して自動売買を行うボットを提供するサービスで、今のところ国内取引所の「Liquid by Quoine(リキッドバイコイン)」にのみ対応しています。そのため、入出金はLiquidで行います。
つまり実際にお金を預ける場所はLiquidなので、HEYBITが経営破綻したとしてもLiquidに預けている資産には影響ありません。もしHEYBITに何か問題が起こったらLiquid側でトークンを削除すれば強制的に遮断できるので安心です。
Liquidは自動売買関係なしに使いやすい取引所なので、仮想通貨取引を行うなら裁量のみの場合でも口座開設しておいて良いかと思います。
なぜ自動売買?
仮想通貨の戦略で一般的なのが積み立て(ドルコスト平均法)や、下落するたびに買い増しするナンピン戦略等のガチホ戦略ですが、この戦略は下落した際の精神的なダメージがつらいですよね。下落はむしろ多く買えるチャンスだと頭ではわかっていても、資産が減っていくのは見たくないものです。
最近だとリップルが5日間で約60円から30円以下にまで暴落したリップルショックが記憶に新しいですよね。下落前に手放さなかった場合は資産がかなり減ってしまっていたと思います。
上がったら下落する前に売り、底で再び買うことができれば理想ですがなかなかそうはいきません。そこで、自動売買なら上がりそうな時に買い、下落しそうなときは買わないという売買を自動で行ってくれます。
HEYBITの自動売買
HEYBITの自動売買は2020年12月現在、無料の「HEYBIT Free」と、使用料として収益の25%が必要な「HEYBIT Premium」があります。
Freeの方はVB(ボラティリティブレイクアウト)戦略を使用していると紹介されており、予想収益率は最もハイリスクのChallengeで10~20%となっています。


PremiumはForeFront戦略を使っていると紹介されています。2020年1月1日~9月30日のバックテスト結果は期間収益率90%超でFreeに比べてかなり高いですね。

ちなみにFreeのロジックは公式ブログで概要が紹介されています。Premiumは現物買いのみを行うらしいですが詳細ロジック不明です。
4か月運用した実績
Premiumは収益率が高いですが、わたしは個人的にロジックが不明な自動売買にお金は払えないと思っているので、無料の「HEYBIT Free」の「VB+Challenge」を運用しています。無料の方も当時は(今もですが)口コミがほとんどなく大金をつぎ込むのは怖いので、投資元本5万円で始めました。
自動売買の動き
詳細ロジックは不明なのですが、Liquidの取引履歴を確認するとどのような売買が行われていたのかわかります。
わたしが確認した結果ですが、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、リップル(XRP)、ビットコインキャッシュ(BCH)の現物買いと現物売りを繰り返しているようです。Liquidはレバレッジ取引もできるので、売りから入る(ショートポジションを持つ)こともできるのですが、HEYBITは現物買いのみを行うみたいですね。
また、利益確定売りはすぐに行い、下落した場合も迅速に損切りしています。

ポートフォリオも確認でき、これを見ると元本の数十%のみを使っているようでした。最もリスクが高いChallengeでもかなり安全志向ですね。わたしが確認した限り仮想通貨比率がどんなに増えてもポートフォリオの50%を超えることはなかったです。

損益実績


8月から始めて、現在(12/27)までの損益は+11,240円なので、約22%の期間収益率となりました。もし、8月に5万円分のBTCを買い現在まで保有していた場合BTCの価格は約2倍なので、+5万円となるはずでした。つまり現物保有の5分の1の収益となります。
ガチホの方が良いじゃんという結果にみえますが、上で確認したように元本の数十%しか使わないかなりの安全志向ロジックなので、ある意味順当な結果です。
それよりも注目すべきはドローダウンの低さです。12/19から12/24にかけてリップルの価格が半分以下に暴落するリップルショックがありましたが、資産のドローダウンはほぼ0でした。自動売買がリップルの下落を察知して保有しなかったためですね。
また、現物保有した場合の利益+5万円というのも今決済した場合の話なので、もし決済せずに暴落したらその分利益も減ります。一方でHEYBITの場合は、このドローダウンの低さを考えるともし暴落しても利益は確保されると考えられます。
4か月で20%の収益率は仮想通貨のボラティリティを考えるとひかえめですが、株式投資や不動産投資と比べれば破格なのは間違いありません。価格が半分以下になるような暴落でもドローダウンがほぼない防御力の高さも魅力で、投資先として十分選択肢に入るのではないでしょうか。
さすがに全ツッパする気にはならないですが、積み立て投資をメインとしつつ、今後はHEYBITの比率も増やしていこうと思っています。
21/2/1追記:1月の実績
1/1から1/31の資産増加率は+3.8%、最高値422万円時点からのドローダウン率(資産減少割合)は1/31時点で2.6%でした。
1月1日にビットコインを294万円で現物購入した場合、1月31日時点で294万円から345万円への値上がり(+17.3%)なので、現物購入の約5分の1です。上で検証した結果とほぼ同じですね。
全力買いよりも収益率は低いですが、最高値422万円で現物全力買いした場合のドローダウン率は1月31日時点で18.2%なので、HEYBITは7分の1です。
利益は現物買いより見劣りしますが、仮に天井で始めても、現物買いの7分の1の損失に抑えられるので、始めるタイミングを選ばないのがメリットですね。
まとめ
・ドローダウンが小さい
・複数通貨に分散して投資してくれる
・フリーの場合自動売買使用料は無料で、必要なコストはLiquidの取引手数料のみ
・投資元本はLiquid取引所の管理でHEYBITはボットを提供しているだけなので、仮にHEYBITが経営破綻しても資金に影響しない
・暴騰相場では現物保有と比べ利益が少ない
・決済を行っているので確定申告が必要
・詳細ロジックが不明
・プレミアムは料金が高め
安全志向ロジックなこともあり最近のような暴騰相場では現物保有より利益が見劣りします。また、HEYBITに限らず自動売買の注意点として、実現損益(決済益)が発生するので確定申告が必要になります。積み立て投資の場合は決済しない限り申告の必要は無いので忘れがちですが、申告漏れがないように気を付けましょう。
このようなデメリットはありますが、リップルショックのような大暴落でもほぼ影響がない防御力はかなりの魅力だと思います。
現物保有の弱点である強烈なドローダウンがHEYBITの自動売買では相当緩和されるので、資産の一部を自動売買にするだけでもかなり安定する運用にできそうです。
仮想通貨の基本は積み立て投資なのは今後も変わらないと思いますが、すべて積み立てではなく、投資資金の一部を自動売買にまわしてみるのはいかがでしょうか。
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